海の中道マリンワールド探訪記

2006(平成18)年10月27日(木)


 教育工学研究協議会熊本大会の途上に、康之さんと2人で、海の中道マリンワールドを訪問した。
これまでにも数々の水族館を訪れたが、
マリンワールドは、教育機関としての役割をかなり強力に意識している点で、極めて特徴的だった。

 以下に、わたし笹原が見た、マリンワールドレポートをお届けする。


 正面から見た全館。マリンワールドは、海の中道海浜公園の一角にある。福岡の市街からは、すぐ近くの桟橋に着く船も出ているが、今回は、レンタカーでの訪問だった。

 右は、海の中道ホテル。
 館内にはいると、広いエントランスがある。ただいま、企画展「水族館のへぇーなお仕事展」の最中ということで、館内のあちらこちらに、職員の仕事を示すパネル展示があった。

 高田館長は、すでに熊本大会へ出張に出ていたが、パネルでわれわれを迎えてくださった。
 まずは、順路に従って館内を一巡。平日だったので、遠足の保育園児や小学2年生がたくさんいた。館内の写真撮影は基本的には自由にできるようで、それらの写真を学習のまとめに活用することができる。
 イルカショーの行われるプール。イルカの他、ゴンドウクジラも水槽を泳いでいた。博多湾をバックにした、ロケーションが秀逸。 
 巨大マンボウの水槽。マンボウは人の気配に敏感な魚とのことで、ガラスの内側はマジックミラーになっており、人間が見えないようになっている。

 ここだけ、フラッシュ撮影が禁止になっているのも、マンボウを驚かせないためとのことだった。
 普通は見られないカブトガニやエイの下側を見るための水槽。エイはこうしてみると愛嬌がある。

 「カブトガニは足が多く、もぞもぞ動いてこわい」と、ここで見た様子をワークシートに記入している2年生の子供がいた。
 生きているイカが泳いでいる風景を初めて見たような気がする(ホタルイカは別として)。透明で美しい。ハイスピードで泳ぐ姿も優雅で美しい。

 ちょうど産卵の時期で、水槽の底には、卵がたくさん浮かんでいた。
 順路の途中にはサイエンスラボがあり、ちょうど、サイエンス教室が始まるところだった。この日は、棘皮動物(ウニやナマコの仲間)の学習。実物投影機を使い、実物を見せながらのレクチャー。
 天井から釣られた掲示や、水槽による学習コーナーでは、自分から学ぶことができる。
 順路の途中では、パノラマ大水槽の上部が見られるようになっている。水槽の上のクレーンは、外部から魚を入れるときに、水槽ごと釣り上げて入れるためのものとのことだった。
 ブラックライトのトンネル。順路の途中にある。白っぽい洋服が蛍光色のように反射するので、子供たちに大うけだった。
 そして、パノラマ大水槽。サメ類を中心に、たくさんの魚が泳いでいる。もちろんコバンザメも存在。

 サメ類やエイには確実にえさが行き渡るように、係員が水に入って、直接口に入れるとのことだった。
 スナメリの餌付け。わざわざ水槽の近くに魚を投げ込んで、えさを食べる様子が見えるようにしている。餌付けの時間も、先ほどのサイエンス教室と少しずらしてあって、順路に従っていくと、さまざまな場面を見られるようになっている。

 イルカショーなどもあるので、それらのプログラムを全てこなせば、1日中楽しむことができる。
 チンアナゴ、10cmぐらい顔を出して、全員がこっちを向いている姿がかわいい。この魚も、人の気配に敏感だそうで、水槽の内面はマジックミラーになっている。
 水槽によっては、奥にディスプレイを置いて、画像と音声でその魚の特徴を説明している。
 館内の各所には、インフォメーションモニターが設置されている。迷子がいると、その情報が流れたりするので、安心して館内を散策できる。
 手で触って体験するコーナー。  1階のレストランは、イルカショーの観客席の下にある。水槽のイルカの動きを見ながら食事ができる。
 写真は、トルコライス。ターメリックライスにカツを載せてカレーかけている。付け合わせに、トマトソースのパスタ。カレーは、コクがあってほどほどの辛さが美味だった。

 マリンワールドでは、1日に数回、バックヤードツアーが開催される。職員が、普段見られない、水族館の裏側を案内してくださる。康之さんと2人で参加してみたら、この回はわれわれだけだった(笑)。休日は、大体一杯になるとのことだった。
 サメなどの大型魚を運び込むためのコンテナ。底の横に出っ張っている部分に水が入り、コンテナの中でぐるぐる泳げるようになっている。
 小型魚を運び込むためのコンテナ。濾過器、酸素ボンベ等が設置され、小さな水族館が移動するようなものとのこと。
 予備水槽。これから、館内の水槽に入れる魚に、えさが食べられるよう訓練したり、展示水槽の魚が死んだときの予備を入れておいたりする水槽。
 エイなどは、捕獲のときに網などで傷がつくが、えさを与えると次第に回復するのだとか。
 シュモクザメ。広い海から、狭い水槽に入れることになるため、まず、ある程度の広さの水槽に入れ、環境に慣らさせる。水族館の魚は訓練されているということが、意外で面白かった。
 ナポレオンフィッシュ。特定の縄張りに1個体しか入れられないため、2匹のうちの1匹は、予備水槽でくらしている。
 税関で没収された魚の飼育を任されることもあるとのことだった。この魚は、おそらくこのままここにいることになるとのこと。  建物の外には、ビオトープがあり、メダカなどが環境込みで飼育されていた。
荷物搬入のための大型エレベーター。  培養室。たこの赤ちゃんなどは、ここで育てられるとのことだった。
 えさを作る部屋。魚の種類ごとに、与えるえさの大きさや分量が決まっている。今日食べる分は、朝準備し、冷蔵庫に入れて保管。
 魚の中には、海藻類を食べる種類もあるが、そういう魚には、野菜を刻んで与える。小松菜とかレタスとかがあるのがおもしろかった。
 冷凍庫に積み上げられたえさ。これで約2週間分。結構食べるので、えさ代はばかにならないという話だった。
 今回、バックヤードを案内していただいた木下さん。ていねいな説明をありがとうございました。
 展示水槽の裏側。さほど広くないが、それぞれの水槽にさまざまな工夫がされていた。水槽の後ろには、たくさんの濾過器が設置されている。
 水槽には、毎時少しずつ新しい海水が注入され、新鮮度が保たれている。マリンワールドでは、1日に約80トンの海水をくみ上げているとか。海遊館など都市部の水族館は、周辺の水に不安があるので、タンカーなどで海水を買い付けているのだそう。反対に、美ら海水族館では、1日にマリンワールドの10倍の海水を使っているだろうという話だった。
伊勢海老の脱皮がら。 ウミヘビの脱皮した後の皮。
 魚が病気にかかったときには、ペットボトルを切った容器に薬品を入れて点滴を行う。

 寄生虫は死ぬが魚が死なない程度の薬品濃度を調整するのが難しいらしい。
 最後は、パノラマ大水槽の上へ。先ほど順路で見たクレーンを近くで見る。サメをはじめ魚を水槽に入れるには、コンテナごと釣り上げて水槽に降ろす。魚を水から出すと、自重による体の負担が大きいため、できるだけ水から出さないように移す。小型魚も同様で、網ですくったりせず、バケツなどで水ごとキャッチして放す。
 大水槽の中へ下りるための、スキューバの用意がされていた。

 大水槽の水面すぐの通路に下りる。さわれそうなほど近くによることができる。こんなところまでこれるとは思わなかったので、ちょっと感動した。
 パノラマ大水槽の横に設置されたエレベーターは、外側がガラスになっていて、上下するときに水槽の中を見ることができる。

 動きがゆっくりなので、魚がすーっと横切っていく様子に、海の中にいるような錯覚を受ける。デートスポットに最適。
 パノラマ水槽の上側には、こんな標識が。

 というわけで、どれだけいてもあきない、とても素敵な水族館マリンワールドには、
またいつか、是非再訪したいものだ。


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