第2節 ネットワーク化された環境での情報活用能力を高める実践
 



第1項 学級活動の中の情報教育−小矢部市立岩尾滝小学校の実践−



小矢部市立岩尾滝小学校について


「メルヘンの町小矢部」らしいゆったりした造りの校舎


 小矢部市立岩尾滝小学校(以下岩尾滝小)は,小矢部市北部の丘陵地帯に位置する,全校児童37名の小さな学校である。校舎の周りは山に囲まれ,豊かな自然の中で,のびのびと学習に取り組んでいる。昨年度より,インターネットに接続が可能なWindows機が3台導入され,それを生かした教育の進め方について研究を重ねている。



6年学級活動 インターネットホームページをつくろう



(1) 主題について

 子供たちは6年生として,集団登校,なかよし清掃など,学校生活のさまざまな場面で,下級生の世話をしたり,指示を出したりと,リーダーとしての役割を果たしてきている。素直な子供たちであるが,反面,教師の指示を待って言われたことだけしていたり,決まりきったことだけしたりして満足していることが多い。
 このような子供たちが,最上級生として学校全体のことを考え,自分たちで意欲的に活動できるようになってほしいというのが,授業者の願いである。


 岩尾滝小では昨年度のインターネット接続の際に,学校のホームページを開設している。子供たちのページもあるが,6年生に進級してからは1度も更新していないため,子供たちから「6年生のページを作ろう」という声が起こってきた。そこで,自分たちのホームページを作成することによって,学校生活を振り返り,自分たちの活動の見直しをはかることができるのではないかと考えた。

 また,自分たちのページだけでなく,学校紹介の部分も見直すことによって,自分たちが学校の中心になって活動しているという意識も高まるのではないかと考えた。ホームページ作りを通して,自分たちで作り出す喜びを味わい,いろいろな場面で最高学年として意欲的に行動することができるようになることを期待している。




(2) 学習の流れ

 本時の学習は,現在の自分たちのホームページを見るところから始まった。
 昨年のページを振り返って,内容が不十分であったことや壁紙の見にくさを指摘する発言や,今年度のページが2年生の分しかできておらず,もう少し作った方がいいのではないかという意見があり,ホームページを更新したいなという子供たちの思いの高まりが感じられた。

 そこで,教師から,「自分たちのホームページをどんな風にしたいか考えながら,他の学校のホームページを見てみよう」という投げかけがあり,子供たちは自由に各学校のホームページを参照していた。



インターネットであちらこちらの学校を訪問中


 その後,自分たちで作るとしたら,どんなページにしたいかについて話し合った。



(3) この学習でのねらいは何か

 この学習でも,ねらっていることは,コンピュータの使い方(ホームページの作り方)を身につけることではない。

 子供たちが,自分たちの生活を見直し,高まっていくことが一番の目的であり,コンピュータやホームページはそのための道具にすぎないことに注目したい。

 
7人の6年生。話し合いの距離が近い



「学校生活を振り返り,自分の活動の見直しをする」 という授業のねらいを,ホームページの作成を通して,体験的にとらえさせようとするならば,
「どんな内容のホームページにしたらいいかな」
「他の学校はどんなホームページを作っているのかな」
という問いかけを,子供が自分から気づいていくような学習の流れを考える必要があるように思う。

 そのためは,「まず作ってみる」なかで問題点(どんなことを考えていけばよいのか)を明らかにしていくのも,一つの方法である。 そういう疑問を持つことで,何のためにホームページを見るのかという視点を持つことができるし,「どういう内容で,誰に向かって発信しようかな」と考えるきっかけになるように思う。

 「壁紙が見にくい」「学校のことは学校のページに,6年生のことは6年生のページにのせたい」といった発言についてもっと掘り下げてみることで,ホームページを作るときに考慮すべき点を子供の言葉で明確にしていくという方法もあると思う。

  また,この時間で子供たちが考えることは何なのかということを,教師自身が明確にしておくことも大切である。はたして,ホームページの内容なのか,表現の仕方なのか,それを子供たちから,どこまで具体的に引き出すのか,それを過去のホームページをみて考えるのか,他校のホームページと比較するのか,などである。    



 コンピュータを活用する授業は,コンピュータを使わない部分で,子供がどのような願いなり考えなりを持つことができるか,そういう願いを持つための教師の支援はどうあるべきか,というところが大事になるのだと思う。コンピュータを使う使わないに関わりなく,授業全体を考える上で,子供の意識の流れを予想した授業をデザインすることは,一番大切なところだ。



 目次へ    前ページ    次ページ