第3項 奈良女附小の総合学習の特色




 奈良女附小の「しごと」学習の取組における特徴は,自分の生活に立ち返ることができる1つの教材を核に,年間を見通した大単元を構想していることである。

 また,これまでの教科や学年の枠にとらわれず,その教材に関わりのある内容を「しごと」の学習の中に取り込んでいる。そうすることによって,おのずと教科の内容の精選が図れる。子供にとっても,教科の単元の中で考えるよりも意欲的に取り組み,体験をもとにした具体的な理解を得ることができる。

 さらに,いずれの取組も,子供の情意を大切にし,願いや求めに基づいたテーマを追究する「志向学習」である。子供たちは自由に活動し,体験していく中で自分の思いを明確にし,意欲的に追究していくと考えられる。奈良女附小の実践には,子供の願いや思いを中心にすえながら,発表・討論とそのもとになる活動(調べたり,操作したり,考えをまとめたりというような)の中で,情意にとどまらない表現力,想像力,思考力の高まりが見られる。

 子供の思いを大切にしている一方で,教師が願っている学習のねらいへと,子供たちが自然に高まっていくための効果的な支援がなされている様子が随所に感じられた。 結局は,教師がどのように学習の流れを仕組むかが問題であり,その流れが自然と子供の意識の中から生まれるような支援が大切だということである。




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