第1章  コンピュータを活用した教育が求められるのはなぜだろう  



第1節  コンピュータの教育利用はなぜ進まないのか



 昨年度,本校にもWindows95で動くコンピュータが8台導入された。宿泊学習の新聞作り,社会科での情報検索(ホームページをフロッピーディスクに取り込んで閲覧できるようにした)や調べ学習のまとめ(他の子供に対するプレゼンテーション)などの場面で,さっそく活用してみた。子供がコンピュータにふれる機会を,少しでも多く作りたいと考えたからである。


五福小のコンピュータ(視聴覚)室



 文部省は,平成11年度を目標に日本のすべての小学校にコンピュータの導入を進めている。富山市においても,各校に順次導入され,11年度までには,すべての学校に適正な数が配置されることだろう。

 しかしながら,現場の教員の多くは,コンピュータを教育に取り入れることが本当に必要なのかに疑問を感じている。また,自分自身があまりコンピュータに詳しくなかったり,あまり使えなかったりすることから,授業の中でコンピュータを活用することにかなりの抵抗感を持っているとも言える。

 わたし自身も,数年前からコンピュータを使い,文書作成など事務処理機器として,また教育用ソフトの活用や教材のプレゼンテーションなどマルチメディア機器として,個人的にはある程度使ってきたが,以前は,学校に導入されたコンピュータが2台しかなかったこともあって,授業で活用することにはあまり積極的になれなかった。

 また,導入後,子供たちにコンピュータを使わせてみると,紙でまとめるよりもはるかに多くの時間がかかってしまったり,コンピュータの使い方にばかりに目がいってしまって子供の考えが深まらなかったりといった問題を感じることがあった。

 コンピュータは,確かに新しい表現の道具としての,また,便利な情報機器としての可能性を秘めているとは思う。しかし,まだ操作にある程度の知識を必要とする,現在の環境の中で,これだけ多くの時間をかけて授業に取り入れる必要があるのか。従来のメディアを使ってもできることを,なぜあえてコンピュータでやる必要があるのか。これからの社会の中でコンピュータが本当に大きな役割を果たすのだろうか。というのが,わたしの率直な疑問であった。


 今後,行政の働きかけにより,コンピュータの導入は進むであろう。富山市では,区域小教研単位でコンピュータの教育利用を主眼とした授業研究も始まっている。そんな中で,わたしと同じような思いを抱き,迷い,ためらっている教員は多くいることであろう。 

 本報告書では,コンピュータがこれからの社会に占める位置を明らかにしながら,コンピュータの活用が教育に求められている理由を解き明かしていきたい。




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