5年「新鍛治川プロジェクト」〜川の今と未来を考える〜

 

活動内容や子供の様子、説明

効果的だったこと、工夫

(1)新鍛治川をとことん探検しよう

5月22日

新鍛冶川探検(第1回)

 

 新鍛冶川はよごれた川というイメージを持っていた子供たちに対し、第1回放送「源流から川へ」を視聴後、どのくらいのよごれがあるかを確かめようと投げかけて、校舎近くから上流側へと歩いてみた。

 子供たちは、歩きながらそこにあるもので遊んだり、オナモミを見つけて投げ合って遊んだりした。周囲をじっくり眺めたりと自由に活動した。

 流れが遅くて澱んでいる上に、自転車が落ちているなど、汚れているという印象を強く持った。その反面、流域にはたくさんの植物が生い茂り、笹で草笛を吹いて遊んだり、スギナで引っ張り相撲をしたりと、予想よりも楽しく遊ぶことができることに気付いた。

 また、川の中には、魚がかなりたくさん泳いでおり、亀の泳ぐ姿も見られたことから、見た目よりはきれいな川なのではないかという予想を持つ子供も現れた。

 番組の視聴によって、自分たちの校区を流れる川に対して「よさを見つけたい」という思いをもって探検することができた。

5月24日

図工「自然と自分とそよ風と」

 

 遊具などの学校内の施設に、自分たちで持ち寄った材料を飾り付けてモニュメントを作る学習であった。第2回放送「川で創作をしよう」を見ていた子供たちは、川にあるものを材料として活用したいと希望したため、川へ出かけて材料集めをした後、制作を行った。植物や木ぎれなど、さまざまなものを材料として活用した。

前回の川探検で、川を身近にとらえ始めた子供たちは、そこを図工材料の宝庫と考え、材料を求めていった。材料集めを目的に川に出かけることによって、前回の探検とは違った視点で川を見ることができた。
 また、自分たちの作品作りのプラスとなる材料をさがすことによって、「汚れた川」から「役立つ川」というイメージへと、プラス思考で川を見ることができるようになった。

5月30日

新鍛治川探検(第2回)

 

 第1回探検の時よりも下流部を探検してみた。デジタルカメラを持参し、初めて見つけたものや不思議なものを、画像として記録していった。初めて見る植物や昆虫の写真を盛んに撮影していた。前回の探検で魚の姿に目を奪われていた子供たちは、下流部にも同じように魚がいるのか調べていた。

 

墓地があって、樹木が手入れされているところがあり、川とくらしとの結びつきを感じるきっかけとなった。また、見たことのない植物を見つけたことから、新鍛治川流域の植物の種類に目を向け始める子供の姿が見られた。
 何度も川に出る活動を通して、川に対する意識が高まり、それぞれの視点で川に対する課題を見つけていった。

6月20日

新鍛治川探検(第3回)

 

 2回の川探検を基に、各自がもうちょっと知りたいと思ったことを課題に、調べる活動に入っていった。

希望する子供は、さらに3回目、4回目と川探検に出かけて、調べ活動に取り組んだ。

川の汚れ具合を科学的に検証するために、CODなどの調査方法を工夫することができた。植物に関心のある児童は、標本にして図鑑で調べるなど、次第に専門的な情報を求めるようになった。体験を繰り返すことによって、理解の度合いが深まり、児童の追究が次第に深まっていった。

 第7回放送「川で育まれる命の営み〜魚〜)の視聴後には、正確に調べたいという意欲がさらに高まった。

 

1学期のまとめ

 

 1学期に調べたことや感じたことをWebページにまとめて発信した。画像とそれに対する説明、自分の考えを入れることを必須条件に、自由にWebページを制作した。

Webページを作るのは2回目の経験だったので、レイアウトを自由に考えたが、見た目よりも内容を重視したWebページが多く見られた。一人一人が課題をしっかり持ち、追究してきた成果と考える。

(2)新鍛治川の源流をたどろう

9月12日(木)

新鍛冶川1日探検

 

 1学期の学習の最後に、新鍛治川の他の川とのつながりが問題になった。

 

 新鍛治川の水はいったいどこから流れてくるのか。

 新鍛治川につながる川には、どのような動植物が育っているのか。

 上流の方の川の水の汚れはどうなっているのか。

 それらは新鍛治川と同じなか、ちがっているのか。

 

  これらの問題を解決するために、1日かけて上流に向かって歩く探検を行った。

 1日探検をして、新鍛治川と他の川とのつながりを理解できた。また、実際に川のほとりをたどることによって新しい課題を見つけることができた。

 

 自分たちが見つけた植物は  どんな種類なのか。

 魚や鳥はあまり目につかなかったけれど、本当にいないのか。いるとしたら、どんな種類がいるのか。

 川の汚れが結構目立っていたが、水質はどうなのか

 牛ヶ首用水はどの川とつながっているのか。

 用水と新鍛治川がつながったのはいつ頃なのか。用水はいつ作られたのか。

 

 これらの課題を基に、2学期の追究を進めることになった。

9月20日(金)

神通川河原植物園観察会

 

 国土交通省富山工事事務所が開催した、神通川河原植物園観察会に参加した。事前学習で「新鍛治川」と「神通川」がつながっていることを知った子供たちは、神通川にどんな特徴のある植物があるのか、新鍛治川にも同じ植物が生えているのかなど、関心を持って観察会に参加した。

 富山県自然解説員の金子先生、清水先生に、神通川とそのまわりの川に生育している植物の種類や、それらの植物がくらしにどのように役立ってきたかなどについてレクチャーを受けた。

 

自然解説員から話を聞くことによって、専門家からの取材、助言が自分たちの学習を広げる上で効果的であることを、体験を通して理解できた。
 また、植物と自分たちのくらしとのつながりを学んだことによって、自分の追究している課題がくらしとどう関わっているのだろうかという問い直しが起こり、追究の視点を広げるきっかけとなった。

930日(月)〜102日(水)

家庭科「使った食器をどう洗う」

 

 新鍛治川1日探検で見た川の汚れはどこから来るのか、汚れを出さないためにはどうしたらいいのか考え始めていた子供たちのところに、 「使った食器をどう洗う」の番組撮影の依頼が来た。そこで、番組に出演しながら川の汚れと自分たちのくらしのつながりについて考えてみることにした。

 1日に使う水の量を基に、それらの水を使って出た汚れがどのように始末されるか、どんな汚れが一番多いのか、汚れを出さない食器の洗い方などについて、富山市浜黒崎浄化センターの長澤さんの指導を受け、体験しながら学習した。

 

 植物、昆虫、魚など新鍛治川とその上流域の生き物の種類を調べていた子供たちが、この学習を通して、自然と環境とのつながりを意識するようになった。環境という今日的な問題に対する視点を持つ上で、この学習は効果的であった。

 第9回放送「比べてみよう川のこと」を視聴した、透明度によって汚れを測定する方法を活用しようとした。

10月18日(金)

集団宿泊学習

 

 山田村での宿泊学習の際に、1学期からテレビ会議で交流があった山田村立山田小学校と一緒に活動することになった。

 どちらの学校も、「川」をテーマにした総合的な学習に取り組んでいたので、これまでの学習の成果を発表し合った。写真を提示しながら、植物や昆虫、魚のこと、水質のことなど川について調べてきたことを紹介し合った。

中流と下流の違いがあっても、川に対する見方には、植物、魚など共通する視点があることに気付いた。一方で、同じ視点で調べていても、魚の種類など、地域によっては見つかる内容が違うことにも気付くことができた。
 また、川の流れの速さや河原の石のことなど、自分たちとは違った視点で調べている発表を聞き、川に対する見方を広げることができた。

 山田小の児童と一緒に、近くを流れる山田川の探検にでかけた。実際に川の中に入って、流れる水の勢いや、藻のついた石のぬるつきなどを体感した。

自分たちのフィールドである新鍛治川は、護岸が垂直に固めてあって入ることができないため、初めて川に入る体験をした子供もいた。中流と下流の流れ方の違いを、体験を通して感じ取ることが出来た。

 第7回放送「川を楽しもう」を視聴したときの、「実際に入ってみたい」という思いが、意欲的に活動する動機付けとなった。

11月27日(水)
3校テレビ会議(第1回)

 富山市立熊野小(渡辺級)、同長岡小(石黒級)と多地点接続テレビ会議により、3学期に実施する川サミットのテーマを話し合った。3校のこれまでの川についての取組みの概要を発表し合ったあと、テレビ会議をいったん切り、これから川についてどんなことを考えていけばよいかを話し合った。最後に再び3校でつないで、どんな話題が出たのかを報告し合った。

2校とは山田小と同様、これまでにもテレビ会議で交流があった。それぞれのこれまでの取組みの中によさを見つけ合ったり、表現力の巧みさを感じ取ったりできた。

2学期のまとめ

 上記以外にも毎週の総合的な学習の時間には、各自の課題に基づいて調べ学習を進めていた。課外に、上流部へ出かけ、CODで水質の測定を行う児童もいた。学習の成果は、各自でWebにまとめた。

2学期の学習の歩みを、Webにまとめて発信した。できあがったWebページが、複数のWebコンテストで入賞した。それが子供たちにとっての外部評価となり、学習に対する自信を高めるきっかけとなった。

(3)川サミットで討論しよう

1月23日(木)
3校テレビ会議(第2回)

 長岡小、熊野小と川サミットのテーマを決めるためのテレビ会議を実施した。テーマは「川の環境を守るためにわたしたちにできることをしよう」に決定した。

15回放送「川サミットをひらこう」を視聴していたので、サミットの内容や進め方をイメージすることができた。

2月13日(木)
川の環境を守るために

 川サミットに向けての活動について話し合った。クリーン作戦の実施、ポスターによる呼びかけ(校区と周辺のスーパーマーケット等)、チラシの作成(校区の全世帯に配布)という、3つの活動を実施することになった。今後の活動計画をグループ毎に決定した。

クリーン作戦グループは取材も担当して、Webページ制作を行うことになった。自分たちで、内容、項目の検討を行ったりデザインを考えたりすることができるようになってきた。
 単に自分たちが活動するだけではなく、広く地域に呼びかけたいという思いを抱くようになってきた。

2月20日(木)
クリーン作戦

 クリーン作戦の実施のために、道具と服装を整えて新鍛治川へでかけた。堤防上の道路周辺に落ちている空き缶や雑誌等のゴミを拾い集めた。5月に見つけて以来ずっと気になっていた自転車を引き上げて、学校に持ち帰った。
 ゴミはそれぞれの収集日に、子供たちが集積場に運んで処分した。

子供たちの心には、初めて探検したときに見つけた川の中の自転車がずっと引っかかっていたようで、クリーン作戦で最初に行ったのが自転車の引き上げだった。重量があり、引き上げた後の悪臭もひどく、川にゴミを捨てることがいかに迷惑なことかを、体験を通して感じ取ることができた。

3月12日(水)
3校テレビ会議(第3回、川サミット)

 熊野小、長岡小との川サミットを実施した。前回会議のあとのそれぞれの活動を聞き合った後、質問をし合ったり、感想を言い合ったりした。長岡小の新聞による広報活動や、熊野小のCM制作などそれぞれに活動の特徴が見えた。

 それぞれの活動や考え方を話し合うことによって、これからも川を守るためにできることをしようという気持ちを高める ことができた。
 討論する場面になったときに、どのように話しかけたらいいのか迷う姿が見られた。臨機応変に対応できる力を高めることが今後の課題だと思う。