3 終わりに


コンピュータを使うと時間がかかる!?


 コンピュータを学習に活用すると、子供が満足するまで表現したり、インターネット等で調べ学習を行ったりすることにひどく時間を要する。そのことを問題視して、コンピュータを使わない理由にする先生が存在する。確かに、導入初期の段階では、何をどのように表現するか思いが明らかであっても、ソフトウエアの使い方がよくわからなかったり、コンピュータの操作に不慣れだったりするために、予想以上に時間のかかる場合がある。
 
 しかし、子供が図工で初めて水彩道具を使うとき、あるいは、家庭科で初めてミシンを使うときに、最初から使いこなすことができるだろうか。描きたい絵や作りたい服のイメージはあっても、まずは使い方を身に付けるまでに、ある程度の時間は要するであろう。コンピュータについても、同様のことが言える。
 
 初めのうちは、小さな作品を仕上げるのにも、多大な時間がかかるであろう。しかし、経験を積むにつれ、短い時間で効率よく自分の思いを実現する方法を身に付けていくであろう。どのような場面でどのような使い方をするのが効果的かもわかってくるし、表現していく中で、自分の考えを見直すこともできるようになる。また、子供たち同士で、操作の方法を教え合うことで、人と人とのつながりを感じることもできる。
 
 導入初期こそ、全学年一斉に同じスタートラインで取り組むために、多大な時間を要するように感じるだろう。しかし、低学年からコンピュータの扱いに慣れた子供たちは、何年か経つうちに、自分の思いにあったコンピュータの活用を見つけることができるようになる。そのためには、早くから経験を積むことが大事である。
 
 情報を収集し、表現し、発信することは、コンピュータに対して行うのではなく、その向こうにいる人に対して行うのである。われわれ教師は、コンピュータの活用に対して臆病にならず、「マシンの向こうに人がいる」ことを意識しながら経験を積めるように、支援していきたいものである。