2 コンピュータを導入したばかりの小学校での情報教育


(2)高めたい情報活用能力はなにか


 情報教育の目的は、子供が自ら抱いた課題をもとに、それを解決するための態度や能力を、体験を通して学ぶ方法を身につけることにある。コンピュータやインターネットは、あくまで子供たちの情報活用の実践力をのばすための道具に過ぎない。つまり、子供が、「このことを調べるには、インターネットを使うよりも、近所の人にインタビューした方がいい」というように、調べ方や学び方を選択できる力を身につけることが、情報教育の目的である。
 
 しかしながら、情報機器の道具としてのよさを感じ、それを選択して使えるようになるためには、ある程度機器になれ、その善し悪しを感じられるだけの経験が必要である。従って、いささか矛盾した話であるが、コンピュータが導入された当初は、ある程度情報機器や通信ネットワークを使う技能を高めるための授業を構想することも必要である。その場合は、全学年が、同じスタートラインで、一斉に同じようなスキルを必要とする学習が行われることになる。
 
 高学年であれば、何度か使っていくうちに必要な機能は、すぐに自分たちで見つけていくだろうし、こんな場面ではコンピュータを使えるなという判断もできるようになるだろう。また、低学年でこういう機会を設ければ2年、3年と経つうちに、自然にコンピュータを活用することのよさに目を向けていくであろう。導入当初は、1年先、2年先を見越して、コンピュータを扱う技能を高めることも必要である。
 
 ただし、コンピュータの技能を高めることを目的にした授業であっても、授業のねらいを最初から「コンピュータの使い方を理解すること」にしてはいけない。あくまでも、学習のねらいに即して、必要な場合にコンピュータを活用するという構えは必要である。
 
 例えば、「受け取った人に喜んでもらえる秋祭りの招待状をつくろう」というように、子供の思いをもとにした学習を進めていくと、よりきれいに仕上げたいという欲求から、結果としてコンピュータを活用し技能が身に付いた、という展開の方が望ましいことは言うまでもない。
 
 子供たちは、自分の表現に必要な機能は、自分で身に付けていくことだろう。情報活用の実践力の高まりを見通したカリキュラムを構想することが、われわれ教師のこれからの仕事になるのである。