1日の学習の流れ
Farlay Elementaly School (Kim's Class) (3)

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 (1)にも記述したが、アメリカには、日本の指導要領にあたるものはない。基本的には州単位でカリキュラムが編成され、それに基づいた教育が進められている。国土が広大なせいもあるだろうが、地域の実態にあわせた教育が可能になっている点で、これから地方への分権化が進む日本は学ぶべき点が多い。

 マクラキン郡の各学校では、郡で決めたカリキュラムをもとに、必要な教材パッケージを選択し、郡に対して予算を申請する。郡はそれが適当と認めれば各校に予算を配分する。Farleyは他校に比べると、経済的に豊かでない保護者が多いため、予算的にはかなり手厚く措置されている。

 教材パッケージとは、毎時間の指導案やワークシートがフォルダに収まっているもので、1時間に1フォルダづつ全単元分が1セットになっている。もちろん指導案をそのまま棒読みするわけではなくて、実態に応じて話しかけ方を違わせている。日本では、他の人が作ったものを使うことはこれまであまりなかったことだが、優れたパッケージであれば、十分に活用は可能だと思う。

 教材パッケージでは学習活動がはっきりしているし、課題もはっきりしているので、日本の教科書会社から出ている指導書に比べるとかなり拘束性は高い。しかし、子供のどういう力を高めるかという視点が学習活動に連動して明確に示されている点と、単元の授業全てに対するものが揃っていて一貫している点で、非常に優れていると思う。また、単に知識の伝達を目的とせず、その中に学び方を獲得するようなさまざまな支援がちりばめられているとことに特徴がある。

【Language Arts】
 再び子供たちを車座にして学習。「FIVE LITTLE DUCKS」といタイトルをもとに、ストーリーをつくっていく。登場人物も「キツネが4匹、シカが5匹、猫が4匹」という具合に、自分たちで選択していく。できあがったストーリーをキムが書きとめていく。こういう風にイマジネーションを広げる授業を、毎日続けているるようだ。
 ストーリーつくりの後のユニットは、各自で「FIVE LITTLE DUCKS」の本を読んで、原典のストーリーを確認する。Kimの読み聞かせ。最後のユニットは、ドリルで内容の確認をする。
 
 ここまで、休みなしで学習は続く。トイレに行きたい子は挙手して、先生の許可を得る。それ以外に休憩はない。
【Physical Exercise】
 gymに移動して体育の時間。gymは半分に仕切ってあって、そこに2学級が運動をする。1年生はさまざまなパターンの基本の運動を次々に行っていた。体操服に着替えないで、そのまま行う。エアコン聞いている上、汗をかくような激しい運動はしないようだ。
 1日1時間、体育、音楽、美術、科学の特別クラスの授業があり、その時間はそれぞれ専科の教員が、それぞれの教室で教える。担任は空き時間となり、この時間のうちに教材研究を行う。
【Lunch】
 昼食もカフェテリアでとる。入り口には、牛乳のほか、コーヒー牛乳、サプリメント飲料なども選択できる。朝に調べたメインのほか、サラダやフライド・オクラ(!)など、サイドオーダーもとることができる。アメリカの食事はとりあえずボリュームがあれば良いみたいな感覚があるように感じた。日本の栄養計算された給食とは、根本的に思想が違う。日本食がヘルシー&ダイエットメニューとしてもてはやされる理由がよくわかる昼食風景であった。

 カフェテリアには、全てのクラスが時間差を付けて、しかも時間通りにやってくる。体育に行くときも食事の時も、大きな声で話す子や列からはみ出す子供がなく、整然としているのが印象的であった。


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