1日の学習の流れ
Farlay Elementaly School (Kim's class) (1)

Prev Page Next Page

 ここアメリカでは、日本のような国の決めた学習指導要領は存在しない。代わりに州単位で、カリキュラムプランが示され、それに応じて、学校ごとに実態に応じたカリキュラムを組み上げる。

 この学校の含まれるマクラッキン郡では、郡単位で共通のものが示され、それをもとに各校で学習計画を作る。といっても、先生がゼロから作るわけではなく、すでに市販されてる数多くのカリキュラムパッケージ(1時間ごとの教師用ガイド、ワークシート、テスト等がセット化され、1年分まとめられたもの)を組み合わせて、1年分の授業を構想する。パッケージには発問等も書かれているが、教師はそれをそのまま読むわけではなく、クラスの実態に応じて、多少のアレンジを加える。教科書の指導書が細分化され、一定の考え方で充実されたようなものがあると考えればよい。

 ちなみに、1年生では教科書は使っていない。4年生から使い始めるとのことだが、大変分厚い教科書で、どちらかというと参考書をイメージした方がよい。
 1年生では、カリキュラムパッケージをもとに、先生が出した問題に児童が応える形で学習が進んでいった。これは、どの学年でも同じだが、予想と違って討論はほとんどなく、むしろ1問1答で応えることの方が多かった。しかし、先生は答えを求めるよりも、考え方の正しさを常に問うており、その考え方が終始一貫しているため、子供たちには学習の方法が身についているように感じた。

 Kimの学級(1年生)に張り付いて、ケンタッキーの(というよりもパドゥーカの)学校の一日の流れを参観した。以下に、教室における学習の実態について報告する。


 学校視察では、ホストファミリーであるKim Warfordの教室で1日、授業を参観することになった。入学してからまだ15日目の1年生である。

【教室環境】
 教室の環境は日本とはかなり違う。校舎全館にエアコンが入り、大変快適な環境で学習している。各教室には、流し台と冷蔵庫がある。2台のコンピュータは校内LANでインターネットに接続されている。主な使用目的は、教師間の連絡と子供のテストであり、日本のように調べ学習に使おうという考えはない。黒板の変わりにホワイトボードを使用している。粉が落ちないので、衛生上も良い。
ホワイトボードは子供が書き込みやすいようにかなり低い位置に取り付けられている。
 ロッカーはこのような網棚になっているので、どこにでもフリーにレイアウトできる。この学級の人数は20人。多くても24人を超えることはないとか。この人数だと十分に目が届く。

 自分の学級に35人の子どもがいることを話すと、信じられないと目を白黒させていた。その人数では自分たちがやっているような学習をすることは不可能だろうと、即座に断言していたのが印象的だった。 
【教室前廊下の掲示物】
くしゃみをするときの自分の顔、虫歯の保有者と治療完了者などが掲示してあった。健康教育も日常的に進められている(Plactical Living=生活科の中で)。
【職員の労働環境】
 ラウンジにて,向井先生とともに歓迎を受ける。左から、ジョンソン校長、キング先生(sience)向井先生(福岡小)、わたし、ウォフォード先生。校長先生は、おみやげの扇子にご満悦。

 学校の中心にラウンジがあり、休憩できるようになっている。ここにはトイレがあるが、先生がここを訪れるのは、1日に数度。こちらの先生にはほとんど休憩時間がない。密度濃く授業をし続ける。そうすることが、教員の常識的な労働スタイルである。(その代わりに勤務時間は8:30〜15:30まで)職員室にあたる場所もなく、教室で全ての仕事を行う。

 職員室はなく、伝達事項はすべてE-mailでまわってくる。職員間のコミュニケーションがとれないことをKimは問題だと感じており、職員朝礼・終礼のように週に何度か集まる制度を「それはいい」とコメントしていた。時間の効率化を考えると、ネットワークの利用は有効であるが、やはり直接顔を会わせることも同様に大切なのだと思う。
ラウンジにはレターボックスがあり、連絡物や先生宛の手紙はすべてここに入る。


Prev Page Next Page